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前のお手紙のあと、
想像していた以上に、たくさんの方が
お返事を、寄せてくださいました。
一つひとつ、ゆっくり拝読しました。
皆さまの「理想のコーヒー景色」のなかには、
──「自分でつくった一杯を、誰かと分かち合いたい」
──「あの色のある一杯を、家でも淹れてみたい」
そんな、やわらかな願いが、たしかに、ありました。
その願いに、今日、お応えします。
前のお手紙では、
休日の朝の、自分のための一杯。
そして、友人に振る舞う、色のきれいな一杯を、
お見せしました。
そして、こうお伝えしましたね。
──「いいな」と眺めていた、あの一杯は、
特別な人のものではなく、
自分の手から、生まれるのだと。
お店の一杯が、家のものより、おいしく感じるのは、
「機械の差」では、ありません。
その理由は、もう少し、深いところにある ──
そんなお話で、前回は、終わっていました。
そして、お約束しましたね。
次の手紙で、ふたつのことを、お渡しすると。
ひとつ、家の一杯を、プロに近づける「三つの条件」。
ふたつ、スーパーと Amazon だけで作れる、
映える「十のメニュー」のすべて。
その約束を、今日、
ひとつ残らず、果たします。
その前に、もう一度だけ、思い出してください。
その日の気分で、色のきれいな一杯を選べる朝。
「ねえ、どうやって作るの」と聞かれ、
写真に撮られ、真似される毎日。
あれは、特別な誰かの話ではなく、
あなたの暮らしに、これから起こる変化でした。
―― その入り口に、いま、立っています。
私たちは、二〇一〇年から、
コーヒーマシンだけを、つくり続けてきました。
でも、本当に見つめてきたのは、機械ではなく、
「一杯で、人は、どれだけ幸せになれるのか」。
―― だから、その答えを、お渡しできます。
―― 高い豆も、特別な道具も、いりません。
その一杯の色が、写真にしたくなるほど
冴えてくるかどうかは、
じつは、
三つの条件で決まります。
なぜ、お店の一杯は、
写真にしたくなるほど、色が冴えるのか。
多くの方は、「機械の差だろう」と、
そう、思っています。
けれど、本当のところは、
もう少し、静かなところに、あります。
その一杯をつくる人が、毎日、
そっと整えている、いくつかの条件。
そのうち、家のキッチンでも揃えられるのが、
この、三つです。
― 豆の、鮮度。
― お湯の、温度。
― 抽出の、圧力。
この三つが、ふっと揃った瞬間、
あなたの家の一杯は、
思わず写真にしたくなる色に、変わっていきます。
順に、お話しさせてください。
豆は、挽いたその瞬間から、
香りが急速に逃げていきます。
三十秒で半分、
と言う淹れ手もいるほどです。
だから、お店では、必ず「直前に挽く」。
家の一杯と、もっとも違うのは、
ほんとうは、ここなのです。
―― 今日、家で試せること。
「淹れる直前に、豆を挽く」。
前のお手紙でも、お伝えしたお話です。
もし、すでに試してくださっていたら、ありがとうございます。
その小さなひと手間で、
家の一杯の香りは、確かに、ふくらみます。
ひと口めの香りに、
となりの誰かが、ふっと顔を上げる ──
その瞬間こそ、分かち合える一杯への、第一歩です。
意外と、知られていないことがあります。
沸騰したばかりのお湯は、
じつは、コーヒーには、
少しだけ、熱すぎるのです。
豆が持っている甘みや、まろやかな香りは、
九十度から九十六度のあたりで、
もっとも、よく開きます。
百度のお湯で淹れると、
苦味と渋みが先に出てしまい、
本来の甘さが、奥へ引っ込んでしまうのです。
お店の一杯が、いつも同じ表情で美味しい理由のひとつは、
この温度を、ずっと、ぶれずに保っていること。
じつは、家庭で再現するときに、
いちばん不安定になりやすいのが、ここなのです。
―― 今日、ご家庭でできる工夫。
お湯は、沸騰直後ではなく、
ひと呼吸、置いてから注ぐ。
ケトルから一度、別の器に移すだけでも、
お湯は数度、落ち着きます。
味の角が、ふっと丸くなります。
ただ、毎朝、その工夫を続けるのは、
意外と、難しいものです。
注ぐタイミング、季節、ケトルの素材で、
温度は、かんたんに、数度ずれてしまう。
家のキッチンで、温度を、毎朝、寸分の狂いなく整える ──
ここを、どう越えていくか。
その答えは、次のお手紙で。
カップに注がれたコーヒーの上に、
きつね色の薄い膜が、ふっと立ち上がる ──
クレマ、と呼ばれる、あれです。
あれは、ただの泡では、ありません。
豆のなかに眠っている香りの成分が、
圧力をかけられて初めて、表に出てきた姿です。
その圧力は、おおよそ九気圧。
これより弱いと、香りは奥に隠れたまま。
強すぎると、苦味だけが前に出てしまう。
九気圧というのは、長い時間をかけて見つかった、
ちょうどいい場所なのだそうです。
そして、この九気圧という圧力は、
人の手のひらでは、どうしても、作れません。
家庭で再現するには、機械の力が、要ります。
せっかく圧力をかけて引き出した香りも、
冷たいカップに注いでしまうと、
ほんの十数秒で、ぼやけはじめてしまいます。
―― 今日、ご家庭でできる工夫。
淹れる前に、カップを温めておく。
最後の一口まで、味が変わらなくなります。
お湯を、軽く張っておくだけ、で構いません。
たったそれだけで、最後の一口が、
最初の一口と、ほとんど変わらない味で、
着地してくれます。
けれど、九気圧そのものを家で作る ──
この一線だけは、機械の力が、要ります。
その答えは、次のお手紙で。
テーブルの誰かが、一瞬、
そのクレマに、ふっと見入って、
「写真、撮らせて」と言う。
── その小さな一秒が、家の一杯を、
分かち合いたくなる景色へ、変えていきます。
前のお手紙では、十通りのメニューを、
まず、ご紹介しました。
そのうち、二つの動画は、
もう、お見せしました。
今日は、残りの八つ ──
抹茶オーツラテから、
ハニー・シナモン・オートラテまで ──
写真にしたくなる、色のある一杯のつくり方を、
ぜんぶ、いまから、ご覧いただきます。
この三日間で、これを見終えたあなたは、
もう、十通りの色を、
自分の手で淹れて、誰かと分かち合える側の、ひとりです。
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色のある一杯のためには、
ほんの少しだけ、
あなたの手の温度が、要るのです。
―― 私たちが、ずっと信じてきたことです。
世の中には、ボタンを一つ押すだけで、
コーヒーが出てくる機械があります。
とても便利なものだと、思います。
そのうえで、私たちが、ずっと信じてきたことが、
ひとつだけ、あります。
―― 自分の手で、ひと手間を加えたとき、
コーヒーは、もっと美味しくなる。
豆を、淹れる直前に挽く。
お湯を、ひと呼吸落ち着かせる。
カップを、温めておく。
── そのささやかな関わりが、
その日の自分と、その日の気分に、
ぴったり合った一杯を、つくってくれる。
だから私たちは、ずっと、
「あなたの手が、ほんの少しだけ関われる」
コーヒーマシンを、つくり続けてきました。
豆を挽く。
カップを温めておく。
抽出のはじまりを、自分のスイッチで合図する。
―― そのささやかなひと手間だけは、
機械から、お返ししたかったのです。
写真にしたくなる一杯も、
誰かと分かち合いたくなる一杯も、
ボタンひとつのマシンでは、
決して、たどり着けない場所に、あります。
世の中の家庭用マシンは、
おおまかに、二つの方向に分かれます。
ひとつは、全部やってくれる便利さ。
ボタンひとつで、平均的な一杯が出てきます。
もうひとつは、カフェと同じ、色の冴える一杯。
ただ、こちらは、十万円を超えるものが多い。
私たちが立っているのは、その
ちょうど真ん中、すこし下のあたりです。
便利さを、ほんの少しだけ手放していただくかわりに、
カフェと同じ、写真にしたくなる一杯を、
毎日の手の届くところまで。
それが、私たちが選んだ、立ち位置です。
お湯の温度と、抽出の圧力 ──
このふたつは、機械の仕事です。
その答えとなるマシンのことは、
次のお手紙で、きちんとお話しさせてください。
残るは、ひとつ。
豆の、鮮度です。
挽きたての香りを、毎朝、自分の手で。
そのためのグラインダーを、
今回、皆さまからいただいたアンケートの声をもとに、
特別な価格で、ご用意させていただきました。
これで、三つの条件は、
すべて、あなたの手の中で、揃います。
三つが揃った一杯は、
自分で飲んで、うれしい。
誰かに出して、喜んでもらえる。
―― そんな一杯を、これから、
あなたが、出せるようになります。
―― P.S.
次の、三通目の動画で、
いよいよ、発売日を、お伝えします。
そして、その日の公開の時刻は ──
三通目で、あなたに、おうかがいします。
その時間、待っていられるのは、
何時ごろが、いちばん都合がよいか。
―― 三通目で、皆さんのご希望を集めて、
いちばん多くの方が集まれる時刻に、合わせます。
ですから、次の三通目だけは、
どうか、必ず、ご覧ください。
ひとことだけ、
コメントで、聞かせてください。
―― 十通りのなかで、いちばん、
つくってみたいのは、どれですか?
この下のコメントで、ぜひ教えてください。
いただいたお声は、三通目のお手紙で、お答えします。